支援士課題 例文

本ページでは課題を作成するにあたり、例文を掲載しています。

 

記入例1:集団生活/実践報告

【子どもの年齢・特性・背景】

4 歳児クラスの男児。言葉でのやり取りはほとんど見られず、友だちへの関心も乏しい。園庭では、決まって草の葉をちぎって集める行動を繰り返しており、集めた葉を手に持ちながら園内を歩く姿が日常的に見られる。クラスの友だちも本児の遊びを「一緒に遊ぶ対象」として捉えておらず、関わりはほとんどない。

【子どもの姿・困り感・その関わりと対応】

ある日、園庭で本児がいつものように大量の葉を左手に抱えて歩いている姿を保育者が見つけた。葉がこぼれ落ちそうになっていたため、保育者は「これに入れてみる?」と手提げかごを差し出した。本児は表情を変えることなく、保育者の顔を見ることもなかったが、自然にかごへ葉を入れ、そのまま持ち運び始めた。それ以降、本児は園庭に出ると必ずそのかごを持ち、葉を集めることが日課となった。保育者がそっと観察していると、本児が集める葉には“似た色味のものが多い”ことに気づいた。そこで保育者は、あえて同じ色合いの葉だけをそっと差し出してみた。本児はその葉をじっと見つめ、ゆっくりとかごに入れた。その様子から、保育者は「本児なりの楽しみ方やこだわりがあるのだ」と感じ、本人の世界に少し触れられたような嬉しさを覚えた。後日、このエピソードをクラスの子どもたちに伝えると、「じゃあ色で分けてみようよ」「グラデーションにしたらきれいかも」と興味を示す子が現れ、葉っぱの色を並べて遊ぶ姿が広がった。本児と他児の間に直接的な関わりはまだ見られないものの、クラスの中に「本児の好き」への理解や共感が生まれ始めた。

 【学びを通した実践の感想】

今回の経験を通して、「一緒に遊ぶこと」だけを目標にするのではなく、まずはその子が大切にしている世界や“好き”を理解し、尊重することが関わりの第一歩であると改めて感じた。本児の葉集めという行動を“問題”として捉えるのではなく、そこにある興味やこだわりを丁寧に見つめたことで、保育者自身が本児の楽しみ方に気づくことができた。また、その気づきをクラスに共有したことで、友だちの中にも自然な理解や関心が生まれた。直接的な関わりがなくても、「その子の好きが認められる環境」が整うことで、クラス全体の関係性が少しずつ変わっていくことを実感した。

 

 

記入例2:集団生活/実践報告

【子どもの年齢・特性・背景】

3歳児クラス男児。友だちとかかわりたい、一緒にあそびたいという気持ちはあるものの言葉があまり出ず、やり取りが難しい。同じクラスの男児一人には親しみを強く感じ、男児があそんでいる近くで同じあそびを楽しむ姿が見られる。また、クラス内の多くの子は本児のあそびや発想が魅力的に見えるようで、かかわりたいという気持ちは感じられる。

 【子どもの姿・困り感・その関わりと対応】

園庭あそびの際、本児がダンゴムシを探し、バケツの中に入れてあそんでいた。保育者が一匹見つけると「もっと」と言って黙々と探していき、たくさん捕まえることが楽しい様子であった。また、本児とはかなり離れた場所で同じようにダンゴムシを捕まえて楽しむ子が数名いた。その状況が数日間続いていたため、本児に対して「あっちの方にもダンゴムシ、たくさんいるみたいだよ」と数名があそんでいるところへ足が向くような声掛けを行った。本児が移動し、ダンゴムシがたくさん入ったバケツを他児が目にすると「すごい!〇〇くんこんなにたくさん見つけたの?どうやって見つけたの?」という話が聞こえ、褒められてうれしそうに笑う本児の姿が見られた。その日から少しずつ、ダンゴムシ探しがクラスのブームとなった。

その後、ダンゴムシに関する絵本を用意した。その絵本にはダンゴムシの生態についてよく描かれていたため、読み聞かせの時間だけではなく自由あそびの時間にも、保育者も交え、数名で繰り返し楽しむ姿が見られた。

絵本や図鑑から何を食べるのか、どこにいるのか、どんな生活を送っているのか、どんな特性があるのかなどさまざまなことを知ることができ、ただバケツに集めて楽しむという姿から、バケツの中にエサとなるものを入れて生活の場を作ったり、生態を観察したりするようになった。

製作あそびの題材として作品づくりを楽しみ、それらをもとに園行事のお店屋さんごっこも楽しむことができた。

ダンゴムシをきっかけに、同じクラスの友だちだけではなく他クラスの友だちとのかかわりも生まれ、様々なあそびを友だちと一緒に楽しむ姿が見られるようになった。

 【学びを通した実践の感想】

本児、他児それぞれの姿からお互いにかかわりたいという気持ちが感じられたため、どのようなきっかけがあると良いのか、悩んでいた。講座を通して、子どもの好きなことからはじめたら良いということを学び、一緒にあそぶことで本児の好きなことを見つけることができた。また、ダンゴムシという題材を子どもたちだけではなく保育者も一緒になって興味を持ち、夢中で探求することで、子どもたちの思いもより強くなり、友だち同士とのかかわりや保育者と子どもたちの信頼関係もより深めることができたと感じた。

 

 

記入例3:集団生活/実践報告

【子どもの年齢・特性・背景】

5歳児クラス女児。新しい活動への参加に不安を強く感じるため、初めての場面では保育者の近くで様子を見ることが多い。自分の思いを言葉で伝えることが苦手で、友だちとの関わりも少ない姿が見られる。一方で、車のおもちゃや組み立て遊びには強い興味を示している。

 【子どもの姿・困り感・その関わりと対応】

自由遊びの時間に、一人で車を走らせて遊んでいた。その近くでは数名が積み木で道路を作って遊んでいたが、自分からは輪に入ることができずにいた。

保育者はしばらくの間、本児と一緒に車を使ってあそびを楽しみながら、本児と他児のあそびの様子を見ていた。他児の作っていた積み木の道路が近づいてきたところで、本児に対して「ここに車を停められそうだね」、「みんなの道路につながるかも」という声掛けを行った。すると、自分で積み木を一本持ってきて道路を延長し始め、それを見た他児も「ここつなげよう」と、お互いに関わりながらあそびはじめる姿が見られた。その後は一緒に道路づくりを楽しみ、友だちと一緒に笑顔で遊び続けていた。

 【学びを通した実践の感想】

講座を通して、「困り感を改善する」だけでなく、子どもの“好き”や“安心できる遊び”を入口に関わることの大切さを学んだ。本児が楽しんでいた車あそびを中断させたり、他児へ「一緒にあそぼうよ」と声をかけさせたり、無理に活動へ参加させようとするのではなく

おもちゃを介して自然につながれるよう声をかけたことで、子ども自身が自然に人や場とつながっていけることを実感することができた。

 

 

記入例4:園内・施設内情報共有、他機関連携/実践報告

【子どもの年齢・特性・背景】

4歳児クラス男児。虫や植物などに興味があり、自然の中で過ごすことが好き。こだわりや衝動性が強い傾向にある。生活音や話し声など、強い音に敏感だがイヤーマフを着用することで落ち着くことができる。保育時間も長く、疲れやすい体質で特に給食や午睡の時間前後に気持ちが崩れやすい。療育へ通っている。加配の保育者(副担任)がつき、生活をしている。

 【子どもの姿・困り感・その関わりと対応】

クラス全体の活動として、ピアノの音に合わせて様々な動きを楽しむリズムあそびを行った。金曜日ということで朝から疲れも見られ、ピアノの音や他児の賑やかな声が強い刺激となり気持ちが落ち着かなくなった。副担任が不在であったが、その様子を見てすぐに加配としてその日クラスへ入っていた保育者に話をして、一緒に別室へ移動してもらった。本児の好きなトランポリンや絵本を一対一で一緒に楽しみ、少し気持ちが落ち着いたところで問いかけると、「一緒にやりたいけど、音がうるさい」という話が出た。イヤーマフをつけることを提案すると納得して保育室に戻り、イヤーマフをして活動に参加することができた。

以前は特性のある本児について、園内の共有や、それぞれの保育者の子ども観や保育観について十分にすり合わせができていなかった。また、子どもへの対応について意見が割れるなど連携がうまくできないことも多かった。療育担当者から統一が必要と言われていた場面に応じた適切な声掛けについても、クラス内のみでの共有にとどまってしまっていた。

 【学びを通した実践の感想】

支援士の講座を受講したことで保育者それぞれに子ども観や保育観があり、それを園全体で伝え合い、受け止め合いをすることで、少しずつ理解し合えることも増えてきた。また、共有すべき情報の重要度を決めることで誰に・どこまで伝える必要があるのかをはっきりさせることができた。情報の重要度に合わせて、会議ノートは全員が把握しておくべきこと、閲覧に制限のあるアプリ上には正職員のみが把握しておくべきことなど適切な情報共有ができるようになった。

今回の事例でも、本児が落ち着くことのできる方法を周知していたことによって、あまり保育に入らないフリーの保育者が短時間で本児にとって最善な行動へ移すことができた。また、その日の午睡の時間に今回の対応等についてもショートミーティングを行い、本児の行動について、より理解を深めることができた。